
こんにちは。庭づくり・外構リフォーム完全ガイド、運営者の「にわ好き」です。
ゴルフが好きな方なら一度は、自宅の庭でいつでも好きな時にスイングができたら最高なのにと考えたことがあるのではないでしょうか。仕事終わりに練習場へ行く移動時間や、積み重なると意外と大きな出費になるボール代や打席料を考えると、庭でのゴルフ練習環境はまさに夢のような投資であり、長期的に見れば非常に合理的な選択です。でも、いざDIYで作ろうと計画を立て始めると、ネットの強度は台風でも大丈夫なのか、近所迷惑になる打撃音や騒音はどう対策すればいいのか、といった不安や疑問が次から次へと出てくると思います。人工芝の選び方や限られたスペースの活用法も含めて、私自身が実際に庭に練習場を作るために色々と調べたり、数々の試行錯誤をして分かった、失敗しないためのノウハウを詳しくお伝えしていきますね。
- 自宅の庭に最適な練習スペースの広さと安全な設計方法
- 単管パイプとネットを使ってコストを抑えつつ頑丈なケージを作る手順
- ご近所トラブルを未然に防ぐための具体的な騒音対策とマナー
- 限られた環境でも着実に上達するための練習器具や測定器の活用法
庭にゴルフの練習環境を作る方法
自宅の庭を自分だけのプライベート練習場に変えるプロジェクト、想像するだけでワクワクしますよね。でも、ただ単に網を張ればいいというわけではありません。長く安全に使い続けるためには、設計段階での綿密な計画が不可欠です。まずは、安全かつ快適にフルスイングするための物理的な土台作りについて、プロの視点も交えながら詳しく解説していきます。
必要なスペースと推奨される距離

庭に練習場を作る際、まず最初にぶつかる壁であり、最も重要な検討事項が「どれくらいの広さがあればいいの?」というスペースの問題です。私が様々な事例や専門資料を調べたところによると、ドライバーを安心してフルスイングするためには、一般的に「間口3メートル × 奥行き3メートル × 高さ3メートル」の空間(3mキューブ)が推奨されています。
「えっ、そんなに広いの?」と思われるかもしれませんが、これには明確な理由があります。身長180cmくらいの男性が45インチ以上のドライバーを振ると、腕とクラブを合わせたスイング軌道の直径は2.5m近くになります。これに加えて、スイング中の体の動きや、心理的な圧迫感を排除するための「安全マージン」を考える必要があります。
| 方向 | 必要な理由 | 推奨距離・寸法 |
|---|---|---|
| 後方 | バックスイングやトップの位置で、壁やフェンスなどに接触しないための余裕。ここが狭いとスイングが縮こまってしまいます。 | 50cm以上(壁から体まで) |
| 前方 | フォロースルーでクラブが当たらないことに加え、打ったボールが跳ね返ってくる「リバウンド」を防ぐための距離。 | 2.5m~3m(打席からネットまで) |
| 高さ | 高弾道のウェッジショットや、アッパーブローでのドライバーショットに対応するため。低いと天井ネットに当たって跳ね返ります。 | 3m以上 |
前方の距離は安全確保の生命線
特に注意していただきたいのが、打席から前方のネットまでの距離です。ここが2メートルを切るような近距離だと、ドライバーの強烈な初速で放たれたボールがネットに当たった瞬間、吸収しきれずに強い勢いで跳ね返ってくる「リバウンド現象」のリスクが跳ね上がります。自分に向かってボールが飛んでくる恐怖心があると、無意識にインパクトが緩んでしまい、練習になりません。最低でも2.5m、できれば3m確保することで、ネットがボールの威力を十分に吸収する余裕が生まれます。
高さに関しては、屋外(庭)であれば可能な限り高くすることをおすすめします。サンドウェッジで少し天ぷら気味に入ったときなど、予想以上に高く上がって隣の家に飛び込む……なんていう事故は絶対に防がなければなりません。もし高さが取れない場合は、天井ネットを低い位置に設置し、そもそも高く上がらないように物理的に制限する工夫が必要です。
単管パイプで自作するDIY手順
ネット通販やゴルフショップでは、広げるだけで使える「ポップアップテント型」の簡易ネットも販売されています。数千円で購入できてお手軽なのですが、ドライバーを日常的にバシバシ打ち込むとなると、フレームの強度やネットの耐久性に大きな不安が残ります。風が吹けば飛びますし、強いボールを受け続けるとフレームが歪んでくることもあります。
そこでおすすめなのが、ホームセンターの資材売り場で手に入る「建設足場用の単管パイプ」を使ったDIYです。「鉄パイプなんてプロの職人さんが使うものでしょ? 素人には難しそう」と私も最初は思っていましたが、実際にやってみると構造はシンプルで、プラモデル感覚で組み立てられます。
単管パイプDIYのメリット
既製品のしっかりした据え置き型フレームを買うと5万円~10万円と高額になりがちですが、単管パイプなら部材を全て揃えても2万円~3万円程度で済みます。しかも、建設現場で使われるほどの強度があり、台風などの強風にも耐えられるプロ仕様の頑丈なケージが作れます。
必要な部材と組み立てのポイント
主に使用するのは、直径48.6mmの単管パイプと、それらを連結する「クランプ」という金具です。クランプには主に2種類あります。
- 直交クランプ:パイプ同士を90度で固定する金具。四角い箱型のフレームを作る時の基本となります。
- 自在クランプ:角度を自由に変えられる金具。筋交い(ブレース)を入れて強度を高めたり、屋根に傾斜をつけたりする時に使います。
DIYの手順としては、まず設置場所の寸法を正確に測り、必要な長さのパイプをホームセンターで購入(カットサービスを利用すると便利です)します。地面が土の場合は、基礎となる束石(つかいし)を埋めるか、杭を打ち込んでパイプを固定します。コンクリート面の場合は、専用のベース金具を使用します。
そして、ジャングルジムのように四角い箱(フレーム)を組み上げ、そこにネットを張っていくだけです。この時、庭の形状に合わせてL字型にしたり、邪魔な植木を避けて柱を立てたりと、自分の庭に合わせた完全オーダーメイドの設計ができるのが単管パイプ最大の魅力です。組み立てには17mmのラチェットレンチが必須ですので、これだけは必ず用意してくださいね。
頑丈な練習用ネットの選び方

フレームができたら次はネット選びですが、ここも非常に重要なポイントです。ホームセンターの園芸コーナーにあるような「防鳥ネット」や「多目的ネット」では、ゴルフボールの衝撃には耐えられません。必ず「ゴルフ用」として販売されている、強度の高いネットを選んでください。
ゴルフボールの直径は約42.7mmなので、網目(目合い)は25mmのものを選ぶのが標準的です。これより大きいとボールがすり抜ける危険があり、小さすぎると風の抵抗を受けやすくなります。
素材とスペックの読み方
素材は、屋外に常設するなら雨や紫外線に強く、耐候性に優れた「ポリエチレン(PE)」製が良いでしょう。スペック表記に「440T/36本」などと書かれていますが、これは「440デシテックスの糸を36本撚り合わせている」という意味で、この本数が多いほど太くて丈夫なネットになります。練習用としては36本~44本以上のものを選ぶと安心です。
重要テクニック:ネットは「たるませる」
設置の際、ネットをピンと綺麗に張りたくなる気持ちは分かりますが、それは危険です。ピンと張ったネットはトランポリン効果でボールを強烈に弾き返します。カーテンのように少し余裕を持って「たるませる」ことで、ネット全体がボールの運動エネルギーを吸収し、ポトリと下に落としてくれるようになります。
また、いくら丈夫なネットでも、毎日同じ場所にボールが当たり続けると、そこだけ繊維が摩耗して切れてしまいます。一番ボールが当たる正面部分には、ネットを二重に重ねるか、専用の「的(ターゲット)」を取り付けて、後ろのネットを保護する対策が必須です。的が破れたら交換するだけで済むので、ランニングコストも安く抑えられますよ。
人工芝とマットで足元を整える
快適な練習環境には、ネットだけでなく足元の環境整備、つまり「スタンス」と「ライ」の安定が欠かせません。土の地面のままだと、雨上がりは泥だらけになって練習できませんし、乾燥すると砂埃が舞います。また、スイングするたびに地面が削れて凸凹になり、スタンスが安定しなくなってしまいます。
理想的なのは、下地をしっかり整えた上で人工芝を敷くことです。DIYの手順としては、まず雑草や石を取り除き、平らに整地します。この時、「路盤材(砕石)」を敷いて転圧機(プレート)や足で踏み固め、その上に「山砂」などを敷いて水平を作ると、プロ顔負けの完璧な下地ができます。その上に「防草シート」を敷き、最後に人工芝をU字ピンで固定します。
用途に合わせた人工芝の使い分け
ゴルフ練習用として選ぶなら、以下の2種類を組み合わせて配置するのがおすすめです。
- スタンス用(立つ場所):足腰への負担を減らすため、クッション性が重要です。芝丈20mm~30mm程度の、ふかふかした「リアル人工芝」が適しています。スパイクでのグリップ力も確保できます。
- ショット用(打つ場所):クラブの抜けが良く、耐久性が高いことが求められます。密度の高い「カール芝(縮れた芝)」のショットマットを用意しましょう。
肘や手首を守るために
特にコンクリートの上に直接ショットマットを置くのは危険です。ダフった時の衝撃がダイレクトに関節に伝わり、故障の原因になります。必ずショットマットの下に厚さ10mm以上のゴムマットや、クッション性のあるジョイントマットを敷いて、衝撃を吸収する層を作ってください。
アプローチ練習ができる環境作り
「ウチの庭には3メートルものスペースはないよ」と諦めかけている方も、ちょっと待ってください。もしドライバーのフルショットができなくても、アプローチ練習場としての価値は非常に高い、いや、むしろフルショット以上にスコアアップに直結するかもしれません。
スコアメイクの鍵は約7割が100ヤード以内のショットにあると言われています。アプローチ練習なら、ポップアップ式の簡易ネットでも十分対応できますし、必要なスペースも半分以下で済みます。私も経験がありますが、庭で毎日10分、5ヤード~10ヤードのチップショットを小さな的に向かって打ち続けるだけで、ボールをクリーンに捉える感覚が養われ、コースでのアプローチの安心感が劇的に変わります。
「ダイヤゴルフ アプローチ名人」のような、点数が書かれたポケットがついている的を使うと、「今日はあのポケットに5球連続入れるまで終わらない」といった具合にゲーム感覚で集中して練習できるので、飽きずに続けられます。また、人工芝の下に少し詰め物をして傾斜を作り、つま先上がりや左足下がりのライを再現して練習するのも、庭練習ならではの実戦的なテクニックです。
庭でのゴルフ練習における注意点

自宅練習場は最高の環境ですが、運用を一歩間違えると、近隣住民とのトラブルや、器物破損などの事故につながるリスクがあります。「迷惑な家」と指をさされないように、そして長く楽しく練習を続けるために、絶対に押さえておくべきリスク管理について詳しくお話しします。
騒音対策で近所迷惑を回避する
「庭 ゴルフ 練習」で検索すると、予測変換で必ずセットで出てくるのが「騒音」や「近所迷惑」というネガティブなキーワードです。実際、静かな住宅街において、ドライバーの「パカーン!」という金属音は想像以上に響き渡ります。至近距離では100デシベル近くに達することもあり、これは電車がガード下を通過する時の音や、近くでの雷鳴に匹敵するレベルです。
日本の環境基準では、一般的な住宅地(A類型など)において、昼間でも55デシベル以下、夜間は45デシベル以下などが望ましい基準として定められています。
参考データ
(出典:環境省『騒音に係る環境基準について』)
※地域ごとの詳細な規制値は、お住まいの自治体の条例によって異なる場合があります。
つまり、何の対策もしないまま庭でフルショットを続けることは、受忍限度を超えた騒音公害としてトラブルになる可能性が非常に高いのです。物理的な対策はもちろんですが、それ以上に重要なのが「配慮の心」です。
トラブルを防ぐための心得
まず、練習設備を設置する前に、両隣や裏のお宅に「これから庭でゴルフの練習をしたいと考えています。音には十分気をつけますが、もしうるさいと感じたらすぐに仰ってください」と一言挨拶をしておくだけで、相手の許容度は大きく変わります。また、早朝(特に休日の朝)や夜間(20時~21時以降など)の打撃練習は避けるのが最低限のマナーです。私は「夜はパターと素振りのみ」とルールを決めています。
また、的の素材選びも重要です。テント生地や帆布(はんぷ)のような素材は、当たった時に「パンッ!」と大きな破裂音がしますが、音を風のように逃がす「メッシュ素材の的」を使うだけでも、衝撃音はずいぶんマイルドになります。
静音性の高いボールの活用

物理的に音を消す最も効果的で、かつ即効性のある方法は、使用するボールを変えることです。通常のコースボールではなく、「ウレタンボール」や「スポンジボール」を使用すれば、ドライバーで思い切り叩いても、打撃音は「ボフッ」という低い音だけで、ほぼ無音に近くなります。
「でも、スポンジボールじゃ軽すぎて、打った感触がなさすぎる。練習にならないんじゃない?」と懸念される方も多いでしょう。確かに昔のスポンジボールはそうでしたが、最近は技術の進化により、「打感をリアルに近づけた静音設計の練習用ボール」が登場しています。
例えば、中心部に適度な重量を持たせつつ、外側を柔らかいウレタンで覆ったボールなどは、フェースに乗る感覚がしっかりありながら、音は驚くほど静かです。また、室内やフローリングの上を転がっても「ゴロゴロ」という音が響かないように設計されたボールもあり、これなら家族が寝静まった深夜でも、リビングでアプローチやパターの練習が気兼ねなくできます。
私のおすすめの運用方法は、近所への音が気になるフルショット練習ではスポンジボールを使い、フォーム固めに専念する。そして、昼間の時間帯や、音の出にくいアプローチ練習ではリアルボールを使って打感やスピン量を確認する、という使い分けです。
シャンク対策と打球事故の防止
庭練習で最も恐ろしく、絶対に避けなければならない事故、それは「シャンク」によるボールの飛び出しです。右打ちの方なら、インパクトでネックに当たり、意図せず右真横に鋭く飛んでいくあの現象です。あれは前触れなく突然やってきます。
正面に立派なネットがあるからと安心していると、シャンクしたボールがネットのない側面から弾丸のように飛び出し、隣家のリビングの窓ガラスを割ったり、停まっている車を凹ませたり……なんてことになれば、賠償問題だけでなく、ご近所関係の崩壊につながります。
鉄壁の防御ラインを敷く
ケージを作る際は、正面だけでなく、必ず打席の右側(シャンク方向)にもネットを張って「L字型」や「コの字型」の構造にしてください。これだけは妥協してはいけません。
また、もう一つのリスクが「テンプラ」です。ドライバーやウェッジでボールの下を叩いてしまい、真上に高く上がったボールが天井を超えていくケースです。これを防ぐためには、天井部分にもネットを張るのが鉄則です。もし天井ネットが難しい場合は、軒下を利用するなどして、物理的にボールが高く上がらない場所で打つ工夫が必要です。
さらに、ネットは紫外線(UV)や雨風にさらされることで徐々に劣化し、強度が落ちていきます。「まだ大丈夫だろう」と思っていても、ある日突然ボールがネットを突き破ることがあります。半年に一度は指でネットを強く押してみて、繊維がボロボロになっていないか点検する習慣をつけましょう。
上達に役立つ測定器と練習器具
庭練習の最大の弱点は「弾道が見えないこと」です。ネットに向かって数メートル先でボールが止まってしまうため、自分が打った球がナイスショットなのか、それとも大きくスライスしているのか、あるいはドロップしているのかを目で確認することができません。悪いスイングで「今の当たりは良かった」と勘違いし、悪い癖を固めてしまうリスクすらあります。
この問題を劇的に解決してくれるのが、近年急速に普及し、価格も手頃になってきた「パーソナル弾道測定器」です。例えば「Garmin Approach R10」や「Rapsodo」のようなポータブル測定器は、レーダーやカメラを使って、スマホの画面上に推定飛距離、スピン量、打ち出し角、左右の曲がり幅などをリアルタイムで表示してくれます。
「あ、今のは感触が良かったけど、データを見たらフェースが開いて右にプッシュしているな」と客観的に分かるだけで、練習の質が劇的に上がります。目的意識のない「ただの打ち込み」が、データに基づいた「科学的なトレーニング」に変わるのです。
アナログな器具も効果絶大
ハイテク機器だけでなく、アナログな練習器具も庭練習では必須です。特に「アライメントスティック」は欠かせません。景色が変わらない庭のネットに向かって構えていると、知らず知らずのうちにスタンスの向きがズレていくことがよくあります。常に足元にスティックを置いて、正しい方向を向いて構える習慣をつけること。これはプロも実践している基本中の基本です。また、スマホを固定できるスタンドを用意して、自分のスイング動画を正面と後方から撮影し、チェックするのも非常に効果的です。
庭でのゴルフ練習で上達する
ここまで、庭に練習環境を作るためのハード面、ソフト面のノウハウをお伝えしてきました。初期費用や設置の手間は確かにかかりますが、長い目で見れば庭の練習環境は非常にコストパフォーマンスが高い投資です。毎週練習場に通うコストと、往復にかかる移動時間(機会費用)を考えれば、測定器を含めた投資額も1年もしないうちに元が取れてしまう計算になるケースも多いでしょう。
何より、「ちょっと5分だけ振ろうかな」と思い立った時に、着替えもせずサンダルのままですぐにクラブを握れる環境は、ゴルフの上達において最強の武器になります。ゴルフは「たまにやるドカ打ち」よりも「毎日の少しずつの積み重ね」がものを言うスポーツだからです。
まずはパターマットを敷くだけ、あるいはアプローチネットを置くだけといった小さな一歩からでも構いません。あなたも庭でのゴルフライフを始めて、ライバルに差をつける秘密特訓基地を作ってみてはいかがでしょうか。
※本記事の情報は一般的な目安です。DIYによる工作物の安全性や近隣トラブルについては、各個人の責任において適切に管理・対応してください。また、正確な製品仕様や法的基準については、各公式サイトや自治体の情報をご確認ください。